幅広い受取資格者
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自賠責保険は事故で被害を受けた人をなるべく広く救済するように設計されています。
保険金を受け取る資格のある人は、予想外に幅広いのです。
これを説明しましょう。
運行供用者の定義
自賠責保険は、「運行供用者」以外は受取資格があります。
「運行供用者」は賠償責任を負う人という意味。
具体的には、次のような人です。
- 自動車の所有者
- 自動車の正式な運転手・運転助手
- 無断借用車や盗難車の運転者
自家用車なら、家族のうち所有者だけが「運行供用者」に該当します。
タクシーなら、所有者の法人であるタクシー会社とそのタクシー車両の運転手が該当します。
幅広い受取資格者
上記の「運行供用者」以外、というのがどんなに広い範囲か、考えてみましょう。
まず、相手の車の搭乗者や通行人は問題なく保険金が出ます。
それどころか、自損事故の同乗者(所有者等を除く)にも出ます。
それが家族や親族であっても、です。
このあたりは任意保険とかなり違います。
自賠責保険では被害者救済が主目的。
一方、任意保険は加害者の賠償責任軽減が主目的。
保険の主たる目的の違いが表れているわけです。
とにかく、自賠責は広範囲で保険金が出ます。
「家族だから無理だろう」とか素人考えで諦めてしまわず、保険会社に問い合わせるべきです。
「運行供用者」をもう一度考える
幅広い人が補償対象になるように、「運行供用者」の範囲が狭く作られていると言えます。
しかし、よく考えてみると「運行供用者」の方も意外な広がりを持っていることがわかります。
まず、夫名義の車を妻が運転して事故を起こしたなら、夫が運行供用者。
貸した車で事故を起こされた場合も、持ち主が運行供用者になります。
盗まれた車が事故を起こしても、所有者は運行供用者になりませんが、管理責任を果たしていない場合は別です。
例えば、キーを差しっぱなしで車を路上に放置した場合などです。
その車が盗まれて事故を起こした場合は持ち主が運行供用者で、人身損害に対してはその車が加入する自賠責から保険金が支払われます。
要するに、車やバイクを持つなら、管理はしっかりと、ということです。
ちなみに、運行供用者に含まれる対象はほかにもあります。
自家用車を業務用に使うのを会社が容認していた場合は、その社員だけでなく会社も含まれる。
所有者が学生で、維持費は親が出している場合は親が運行供用者・・・などです。
法では運行供用者は明確に定義されておらず、「自己のために自動車を運行の用に供する者」とあるだけだそうです。
解釈の問題であり、判例の蓄積によって判断されるようです。